株式会社 福成

-外壁塗装の重ね塗りの役割 手抜き工事を防ぐためには!?-

外壁塗装は基本的に3回重ね塗りをします。
3回の工程それぞれに役割があり、省くことはできません。

今回は、外壁塗装の重ね塗りの役割や、悪徳業者の手口、手抜き工事を防ぐ方法について解説します。

 

下塗りの役割

下塗りは前回の外壁塗装による塗膜の効果を消したり、外壁と上塗り塗料を密着させるために行います。

下塗りでは、下塗り専用のシーラーやプライマー、フィラーを外壁材の種類や状態に合わせて塗っていきます。

 

中塗りの役割

中塗り、上塗りは同じ塗料を2回重ね塗りします。

中塗りの役割は塗膜に十分な厚みを持たせ、平坦な塗装面をつくることです。
また、中塗りは塗料の機能性を発揮させるための大切な工程です。
中塗りを省くと住宅に防水性を持たせ、紫外線から守る効果が十分にならず、外壁塗装の寿命も短くなってしまう可能性があります。

また、外壁塗料は1回で塗膜を完成させようとするとムラになってしまいます。
中塗りで機能性のある塗膜をつくり、上塗りで塗料を重ねて表面を綺麗に仕上げるのが基本です。

 

上塗りの役割

上塗りは中塗りと同じ塗料を重ね塗りして仕上げる工程です。
塗料を重ねて塗膜を十分な厚さにし、耐久性のある外壁塗装に仕上げます。

また、上塗りをすることで外壁塗装を美しく仕上げます。

 

悪徳業者の手抜き工事の手口とは?

外壁塗装は基本的に3回の重ね塗りで塗膜に十分な耐久性を持たせることができます。

もちろん、2回塗り、4回塗りの塗料もありますが、塗料メーカーが3回塗りと規定しているにも関わらず、2回塗りで済ませるなどの手抜き工事を行う業者も存在します。

ここでは、悪徳業者、手抜き業者の手口や、悪徳業者に騙されないポイントをご紹介します。

 

手抜き業者は中塗りを省きがち

手抜き工事の手口として多いのが、中塗りを省き、上塗り1回で済ませてしまうというものです。

理由は中塗りと上塗りは同じ塗料を重ね塗りするため、外壁塗装が仕上がってしまえば外観からは分かりにくいためです。

2回塗りしなければならないところを1回しか塗らないため、塗膜が薄く、メーカーが公表している性能は発揮できません。

つまり、10年もつはずの塗料が5年程度で大きく劣化してしまったり、防水機能が十分でなかったりします。

 

乾燥時間を守らない手口もある

外壁塗装では乾燥も重要です。
十分外壁が乾燥してから次の塗料を塗らなければ施工不良を起こす危険性があります。

塗料が乾かないまま次の塗料を重ね塗りすると、塗膜の中に水分が閉じ込められた状態になります。
やがて中の水分が蒸発すると、水分があった場所の塗膜に空洞ができてしまいます。
この部分は外壁に塗料が密着していないため、2~3年程度で塗装が剥がれてしまう恐れがあります。

このようなことを防ぐため、外壁塗装では乾燥も重要な工程となります。

 

見積書をチェックする

手抜き工事を防ぐには、見積書をしっかりとチェックすることが大切です。
まず、見積書は詳細までしっかりと記載されている必要があります。

「工事一式」としか記載されていない見積書は工事がどのように行われるかわかりませんので、このような業者とは契約しないようにしましょう。

詳細に工事内容が書かれている見積書であれば、下塗り塗料、上塗り塗料のメーカー、塗料名も記載されています。
塗料名が分かれば推奨されている重ね塗りの回数を自分で調べられます。

また、工事中は工事工程表を確認して、きちんと作業が工程表どおり進んでいるかチェックしておくと手抜きされにくくなります。

 

長く付き合える信頼性の高い業者に依頼する

外壁塗装は3回塗りが基本ですが、塗料の種類や外壁の状態によって必ずしも3回塗りとは限りません。

塗料選びや工程についてはプロである外壁塗装業者に任せるのが一番です。
そのため、安心して任せられるように、信頼できる業者に依頼することが大切です。

業者選びの際は、業者のホームページを見て施工事例をチェックしたり、相見積もりを取ったりして、長く付き合える業者かどうかも念頭に置いて考えるのがおすすめです。

 

外壁塗装で塗装回数のほかに重要なポイント

外壁塗装で重要なのは重ね塗りの回数だけではありません。
塗装回数を守ることはもちろん、それ以外にも重要なポイントが存在します。

 

外壁材に合った塗料の選定

塗料の選定は、耐久性に関わる塗料のグレードや機能性のほかに、水性塗料、油性塗料のどちらにするか、また、下地材の選定も重要です。

 

塗料の希釈率

塗料の機能を十分に発揮させるには、塗膜の厚さと塗料の希釈率が大切です。
塗料は水性塗料は水、油性塗料はシンナーなどの有機溶剤を使い、希釈して塗装します。

希釈率はメーカーの指定を守ることが重要で、これを間違うと施工不良の原因となります。

 

環境条件

外壁塗装は塗装に適さない気象条件があります。
特に雨の日は外壁が濡れ、塗料がムラになる可能性があるため、施工ができません。

そのほか、気温5℃以下、湿度85%以上は塗装条件に適していません。
このような環境下では、塗装作業は難しくなります。

また、強風の日も塗装した外壁にホコリが付きやすいだけでなく、作業の安全性を確保するため、塗装条件には適していません。

 

高圧洗浄

外壁塗装は塗装工程と同じくらい下地処理が仕上がりに関わってきます。

下地処理の代表的なものに高圧洗浄があります。
高圧洗浄では外壁についたホコリや汚れ、苔やカビを高圧洗浄機で洗い流します。
この工程を省くと汚れの上に塗料を乗せることになるため、塗料が外壁に密着できずに浮いた状態で塗装され、外壁塗装の剥がれの原因となります。

高圧洗浄のあとはしっかりと外壁を乾燥させてから下塗りを始めることも大切です。

 

外壁塗装は重ね塗りが重要

外壁塗装の重ね塗りの役割や手抜き工事の手口などについて解説しました。

3回塗りの工程はそれぞれ役割があり、3回重ね塗りをして初めて塗膜の機能が発揮され、住宅を紫外線や雨水から保護できます。

また、外壁塗装は工事が終わってしまうと外観からは塗り回数が分かりにくいため、悪徳業者による手抜き工事に注意が必要です。

実際に3回塗りではなく2回塗りで完了する塗料もあるため、見積書を見て不明な点は質問し、信頼できる外壁塗装業者に早めに出会い、定期的に塗装を依頼することが大切です。