株式会社 福成

外壁塗装の塗装工程の手順を解説 上塗り材を2回塗りする理由とは

外壁塗装では下地処理のあと、3回の塗装工程を行います。
下塗り、中塗り、上塗りにはそれぞれ目的や役割があり、順番を省略することができませんがそれはなぜでしょうか?

 

この記事では外壁塗装の塗装工程の順番とその役割について解説します。

 

外壁塗装の工程

外壁塗装は一般的に以下のような流れで行われます。

 

①足場組立・メッシュシート設置
②高圧洗浄
③下地処理
④コーキング打ち替え
⑤養生
⑥下塗り
⑦中塗り(上塗り1回目)
⑧上塗り(上塗り2回目)
⑨付帯部分の塗装
⑩仕上がり確認
⑪足場解体

 

塗料の塗装は通常下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りで行われます。
塗装の工程は次の項で詳しくご紹介します。

 

下塗り(下地材塗装)

希望した色とグレードの塗料を塗る前に必ずしなければならないのが下塗りの工程です。

 

下塗り塗料の代表的なものにはシーラー、フィラーの2種類があり、外壁材の種類や外壁の状態により何を選ぶかが変わります。

 

シーラー

シーラーは上塗り塗料と下地材の密着力の向上や吸い込みムラの防止、下地補強など、上塗り材の塗膜の性能を十分に発揮させるために使われる下塗り材です。

 

塗装面が傷んでいると塗料を吸い込んでしまいますので、先にシーラーを多く吸収させて吸い込みを止める役割もあります。
この場合、シーラーの工程が通常1回のところ2回塗る必要があります。

 

吸い込みがある状態で上塗り材を塗ってしまうと、密着性が悪くなって耐久性が落ちたり、艶あり塗料を塗っても艶がうまく出ないといった塗装不良を起こす可能性があります。

 

塗料の性能を発揮させるには、シーラーをしっかりと塗ることが重要となります。

 

シーラーには塗料と同様に水性タイプと油性タイプが存在します。
前回塗装した塗料や劣化の状態に合わせてシーラーを選びます。

 

フィラー

フィラーは下地の凸凹を平滑にする、いわゆる「下地調整材」です。
モルタル外壁にヘアクラックが見受けられる場合や、下地に凸凹や段差がある場合に厚く塗って使われます。

 

フィラーの中でも最も多く使われるのが微弾性フィラーです。
微弾性フィラーはモルタル外壁に使う下塗り塗料で、シーラーとフィラーの機能を兼ね備えています。
ヘアクラックがあるモルタルの外壁材では微弾性フィラーが多く採用されます。

 

フィラーはサイディングには適していないので、サイディング外壁では使用されません。

 

その他の下地塗料

下地塗料にはシーラーやフィラーのほか、サーフェイサーやプラサフバインダーがあります。

 

中間検査

下塗りが終わったら次の工程の前に中間検査を行います。

 

ここまでの作業が十分にできていないと、この上から塗料を塗っても塗装がすぐに剥がれるなどの施工不良を起こしてしまうこともありますので、しっかりと確認をし、塗り残しがないかをチェックします。

 

下塗り材が十分に乾燥したら中塗りの工程に移っていきます。

 

中塗り(上塗り1回目)

中塗りと上塗りでは基本的には同じ塗料を2回塗ります。
つまり、中塗りは上塗り1回目のことを指します。

 

中塗りの目的は塗布量を確保して塗料に厚みをつけ、上塗り材の補強をすることや、滑らかな下地を作るために行います。

中塗りで塗膜の厚みを一定量確保することで、塗料の機能により住宅を塗膜で保護して塗装を長持ちさせることが可能です。

 

上塗り(上塗り2回目)

上塗りは「仕上げ塗り、」「トップコート」などとも呼ばれ、外壁塗装の最後の工程です。
塗り残しや刷毛跡、ローラーの跡が残らないように丁寧に塗ります。

 

基本的には中塗りと上塗りは同じ色で塗装します。
ただし、一部の高級シリコン塗料やフッ素塗料、無機塗料の場合、専用の中塗り塗料があります。

 

付帯部分の塗装

外壁塗装が完了したら破風、鼻隠し、雨樋、雨戸などの付帯部分の塗装を行います。

 

外壁塗装に中塗りが必要な理由

上でもご紹介したように、外壁塗装では中塗りと上塗りは基本的に同じ塗料で塗装します。
同じ塗料を2回と聞くと「わざわざ2回に分けなくても1回で綺麗に仕上げれば良いのでは?」と思われるかもしれません。

 

しかし、上塗り材を2回塗るのには以下のような理由があり、必要な工程です。

 

仕上がりを美しくするため

塗料を2回塗る理由の1つが外壁塗装を美しく仕上げるためです。

 

塗料には粘り気があり、1回の塗装で厚く塗装するとムラになってしまいます。
技術の高い塗装会社であっても1回塗りで美しく仕上げるのには無理があります。

 

かといって、塗料を薄く何層にも重ねるのは今度は塗料の性能を十分に発揮できなくなってしまう可能性があります。

 

したがって上塗り塗料は2回塗りで1回目はやや厚めに塗り、2回目は仕上げ塗りとして刷毛跡などが残らないように美しく仕上げて完成させることになっています。

 

塗料の性能を発揮させるため

外壁塗料には防水性、遮熱性などの性能があり、建物を塗膜で保護しています。

 

中塗り、上塗り工程ではそれぞれメーカーが定めた塗布量を守って塗装を行いますが、メーカー指定の塗布量を守って塗装することで塗料の機能が最大限に発揮されます。

 

せっかく機能性の高い塗料を採用しても塗布量が足りなければ機能を十分に発揮できません。
塗料で十分な効果を得るためには塗料メーカーの指定通りに塗装する必要があります。

 

手抜き業者は中塗り工程を省略しようとする

手抜き工事を行う業者は、中塗り・上塗りの工程を1回で済ませようとしますが、1回塗りでは美観を得られないだけでなく、塗料の量が十分でないため、外壁塗料の機能が十分に発揮できないだけでなく、建物を塗膜で保護することができません。

 

外壁塗装の契約前には下地塗り、中塗り、上塗りの工程がきちんと記載されているか確認すると安心です。

 

3回の塗装工程は重要

外壁塗装は下塗り、中塗り、上塗りの順番で行われます。
すべての工程が塗装を美しく仕上げるため、外壁塗料の機能を十分に発揮させるために重要なものです。

 

きちんと3回塗りで塗装が行われているかどうかを確認する対策としては工事工程表をチェックすることと、外壁塗装の工事の進捗を日々確認すると良いでしょう。

 

塗料によって2回塗りで良いものや4回塗りが必要なものもありますので、塗料を選ぶ際に塗装工程については業者に確認しておくと安心です。

 

また、工事期間中に疑問点などがあったら施工会社の営業担当者に相談してみると良いでしょう。