建物の構成材料は可燃物が多いため、万が一火災が起きた場合、延焼する可能性があります。
火災発生時の被害を最小限に抑える為に
外壁の表面に塗布して可燃物を不燃材料または準不燃材料、難燃材料にする「防火塗料」があります。
そこで、防火塗料とはどんなものか、種類やメリットについて解説します。
防火塗料とは
防火塗料とは難燃性または不燃性の塗料で
可燃物の表面に塗布することによって不燃材料、準不燃材料、難燃材料にする塗料です。
防火塗料には「発泡系塗料」と「非発泡系塗料」がありますが
塗布する素材などによって塗料を選択します。
防火塗料のメカニズム
防火塗料は発泡形防火塗料の場合、塗装した面が高温になったり、炎と接触すると
塗膜がスポンジのように膨らんで耐熱断熱層を作ります。
これにより、熱と炎が延焼することを防ぎます。
防火塗料のメリット・デメリット
防火塗料のメリットは火災が発生したときに炎から建材を守り延焼を防ぐことが出来る点です。
デメリットは火災が発生しなければ効果を発揮する機会がない為
あくまで保険的な塗料となり、その分出費となる点です。
防火塗料の種類
防火塗料は「発泡形防火塗料」と「非発泡形防火塗料」の2種類があり
さらに非発泡形防火塗料には「難燃性塗料」と「不燃性塗料」に分けられます。
防火塗料に似たものに「耐火塗料」というものがありますが
耐火塗料は主に鉄骨に塗布して耐火構造にする塗料ですので一般住宅で使用される事はあまりありません。
発泡形防火塗料
発泡形防火塗料は平常時にはふつうの塗膜の性状をしていますが
塗膜が火災や高温に触れると発泡と炭化が始まり
数十～数百倍に膨らみ緻密なスポンジ状の炭素膜を形成したり
不燃性ガスを発生して機材が着火温度まで上昇するのを遅らせます。
非発泡形防火塗料（難燃性塗料）
非発泡形防火塗料（難燃性塗料）は
有機系の塗料に難燃剤を加えて燃えにくくした塗料で、自己消火機能を持っています。
塗装した塗膜が炎や熱に触れると消火性ガスを発生させ、可燃性ガスの濃度を薄め
結晶水を放出して表面温度を低下させる等を行い熱と炎の伝導を抑止し防火します。
非発泡形防火塗料（不燃性塗料）
非発泡形防火塗料（不燃性塗料）は無機バインダーに無機顔料を多く配合した完全不燃性塗料です。
水ガラスや金属リン酸塩を主体とし、これに硬化剤を加えて完全硬化しています。
この塗料を建物に塗れば、建物全体として不燃性にはなりますが
塗料自体には断熱性がない為、可燃物すべてを不燃化することはできません。
分解ガスが少なく完全不燃性で、耐熱性が優れている点など長所が多くあります。
難燃性と不燃性の違い
難燃性とは
難燃性とは燃焼に対して「燃えにくい」性質のことです。
難燃性は延焼する速さは遅い一方である程度の時間は燃え続ける性質でもあります。
建築基準法では通常の火災による火・熱が加えられた場合
加熱開始5分間「燃焼しない」「防火上有害な変形や溶融、亀裂等の損傷を生じない」「避難上有害な煙やガスを発しない」を満たした建材について国土交通大臣が定めたもの、あるいは認定したものを「難燃材料」としています。
不燃性とは
不燃性とは火にさらされた際に燃えない性質、または極めて燃えづらい性質のことです。
不燃材料と認定されるためには加熱後「20分間燃焼しない」「外部の仕上げにおいて防火上有害な変形・溶融・亀裂・その他の損傷をしない」「内部の仕上げにおいて避難する際に有害となる煙やガスを発生させない」といった条件を満たし、国土交通大臣が定め認定する、としています。
賢い外壁塗装会社の選び方
防火塗料やその他の機能性塗料検討する際は
その機能が本当に自宅の外壁に必要かどうかを正しく判断する必要があります。
その為には外壁塗装のプロに建物の立地や状態などを見て判断してもらうことが大切です。
しかし、外壁塗装業者の中には技術が低い業者や悪徳業者が存在するのも事実です。
そこで、優良な外壁塗装会社の選び方をご紹介します。
自社施工管理の業者を選ぶ
依頼しようとしている塗装業者が自社の従業員が実際に塗装を行う
「自社施工」の業者かはあらかじめ確認しておきましょう。
自社施工業者であれば作業員への指示も伝わりやすく工事もスムーズです。
費用に関しても中間マージンが発生しない為、自社施工業者の方がお得に外壁塗装をすることができます。
地域に根差して営業している専門業者を選ぶ
依頼する塗装業者は地元で長年営業している外壁塗装の専門業者がおすすめです。
地元で営業し続けられているということは地域のお客様に支持されていることの現れです。
また、専門業者は高い技術力で塗装ができますので
なるべく外壁塗装を専門に行っている業者に依頼しましょう。
施工実績を公開している業者を選ぶ
外壁塗装業者の中には施工実績をホームページで公開している業者があります。
実際にどのような工事が行われたのかチェックすることができますし
実績を公開しているということは技術に自信があることの現れでもあります。
アフターフォローのある会社を選ぶ
外壁塗装業者を選ぶ際にはアフターフォローの内容についても確認しておきましょう。
施工不良があった場合、塗装完了後に不具合が現れますが
保証期間内であれば無料で施工し直してくれますので安心です。
業者の中には定期点検を実施している業者もありますので
ニーズに合わせてアフターサービスを利用すると良いでしょう。
営業マンの対応が良い会社を選ぶ
塗装工事とは直接関係ないように思うかもしれませんが、営業マンの質も重要です。
専門知識がしっかりとあり
コミュニケーションをスムーズに取れる営業マンが在籍している外壁塗装会社を選ぶようにしましょう。
プランニングの際に丁寧なヒアリングを行い、お客様に最も合っているものを提案してくれる業者であれば
失敗も少なく安心して依頼することができます。
防火塗料で安心安全な外壁に
防火塗料は万が一火災が発生した際に燃えにくく延焼しにくい性質がある為、住む人の命を守ってくれます。
確かに保険的な意味合いの強い塗料ではありますが、安心を買う意味で利用することができます。
防火塗料が気になる方は外壁塗装業者に相談してみてくださいね。