外壁のガラスコーティング塗装のメリットとデメリット

外壁の耐久性を高めるのに優れたコーティング剤には、ガラスコーティング塗料があります。
透明の塗料でコーティングすることにより、紫外線などから建物を保護し、耐久性を高めることが可能です。

 

ここでは、ガラスコーティングの特徴やメリット、デメリットをご紹介します。

 

外壁のガラスコーティング塗装とは

ガラスコーティング塗料の特徴

ガラスコーティング塗料は石やガラスなどの無機質な成分で構成されており、紫外線や雨水に強い点が特徴です。
完全に無機質な塗料のため、紫外線や雨水による劣化がありません。

 

外壁全体を耐久性が高い無機塗料で覆い、建物をコーティングして紫外線や雨、汚れから守ります。

 

艶ありと艶なしが選べる

ガラスコーティング塗料は艶ありと艶なしの両方があり、好みで選べます。
外壁のデザインに合わせて塗装業者と相談して決めると良いでしょう。

 

ガラスコーティング塗料のメリット

ガラスコーティング塗料は無機質という性質により外壁にさまざまなメリットを付加できます。

 

耐用年数が長い

ガラスコーティング塗料は、外壁塗料のなかでも特に耐用年数が長い塗料です。
メーカーによるものの耐用年数は約20～25年で、標準的なシリコン塗料の耐用年数約8～12年の倍以上の期間長持ちします。

 

耐用年数が長ければその分外壁塗装工事の頻度を下げられ、メンテナンス費用を抑えることが可能です。

 

対候性が高い

主成分が無機物のため、有機塗料に比べて対候性が高い点も大きなメリットです。
紫外線や雨、気温の変化による劣化が起こりにくいのが特徴です。

 

防汚性が高い

ガラスコーティング塗料で塗装すると、表面がガラスのように高い撥水性を持つため、汚れや水を弾きやすく、カビや苔などが外壁へ付着することを抑える効果が期待できます。

 

また、汚れが定着しにくく、雨水が当たると付着した汚れを洗い流し、苔やカビも発生しにくい為、外壁を長くきれいに保てます。

 

弾力があり地震でも塗膜が割れない

ガラスコーティングというと塗膜が硬く割れやすいというイメージがあるかもしれませんが、塗膜には弾力があり、多少の地震の揺れでは塗膜が割れることはありません。

 

環境や人体に優しい

無機塗料は有機物を含まない為、アレルギーリスクの軽減が可能です。

 

完全無機質で成分も溶け出すことがなく、外壁に触れたり口につけたりしても体内に吸収されることなく、身体に優しく安心して使える塗料です。

 

炎に強い

ガラスは燃えない素材ですので、ガラスコーティング塗装は炎に強い点も大きな特徴です。
塗料によっては何1000℃という温度にも耐えられる製品も存在します。

 

ガラスコーティング塗料のデメリット

一方で、ガラスコーティング塗料には以下のようなデメリットもありますので注意が必要です。

 

価格が高い

ガラスコーティング塗料はスタンダードなシリコン塗料に比べ40%程度価格が高く、塗装費用が高くなる傾向があります。

しかし、耐久性は一般的な外壁塗料の約2倍ありますので、その後のメンテナンス費用を考えると相応の価格であるとも言えます。

 

サイディング外壁の塗装には不向き

サイディング外壁にはコーキング（目地）がありますが、コーキングがある外壁にはガラスコーティングはあまり向いていないとされています。

 

その理由としてコーキングの寿命は約5～10年で、ガラスコーティング塗料の耐用年数約20年の間にコーキングのリフォームを数回行う必要があるためです。

 

外壁リフォームは屋根塗装、外壁塗装、コーキング打ち替え、付帯部分の塗り替えを同時に行うことでコストを下げられますので、コーキングのある外壁はメンテナンス時期がずれ、コストパフォーマンスに影響を及ぼします。

 

ただ、コーキングの耐用年数と合わないという点で不向きと考えられておりますが、サイディングボードに塗装することは可能ですので、コーキングのメンテナンスを考慮して行うのであれば問題ないと言えるでしょう。

 

次回の塗装がしにくい

ガラスコーティング塗料は汚れや油を寄せ付けない撥水性の高い塗料のため、上から塗装をしても塗料が密着しにくいという特徴があります。

 

ただ、寿命が約20年のため、頻繁に塗り替え工事をする必要はありません。

 

一般住宅への施工実績が多くない

ガラスコーティング塗料は価格が高いため、どちらかといえば一般住宅よりも公共の建物で普及してきた塗料です。

そのため、一般住宅への施工ままだ実績が少ないのが現状です。

 

塗装を希望する場合はガラスコーティング塗装の実績のある塗装業者を探す必要があります。

 

ガラスコーティングが向いている家

ここまで、ガラスコーティング塗装のメリットとデメリットをご紹介してきましたが、具体的にどのような住宅に向いているのでしょうか。

 

外壁材のデザインを活かしたい家

無色透明の塗料ですので、外壁材にデザインが施してある建物におすすめです。
外壁材を選ばないため、コンクリート外壁やタイル外壁にも向いています。

 

鳥の糞や落書きに困っている家

汚れに強いため、日頃から汚れに悩まされている家におすすめです。

 

鳥の糞を頻繁にされてしまうお宅や、スプレーなどで落書きをされてしまう、張り紙で悩んでいるというお宅でも汚れやインク、接着剤が密着しにくいので簡単に落とせます。

 

ガラスコーティングの工法

ガラスコーティング塗装は、外壁材専用の下地材である特殊プライマーを塗り、その上からガラス塗料を塗装します。

 

下塗り用特殊プライマーの色はお好みで選べて、外壁の雰囲気に合わせて色を選びます。
その上から透明なガラス塗料を塗装してコーティングします。

 

外壁塗装業者に相談して決めると安心

外壁のガラスコーティングについて解説しました。

 

ガラスコーティングは耐久性が高く、汚れに強いなどメリットが多くあります。
しかし、塗装費用が高いなどの一定のデメリットも存在しますので、希望する場合は外壁塗装の専門業者に相談しましょう。

 

外壁はフッ素塗料で塗装し、屋根はガラスコーティング塗装をするという風に、紫外線の劣化を受けやすい場所のみにガラスコーティングを施して建物全体の耐久性をバランスよく上げる方法もあります。

 

業者には予算やライフプランも含めて相談するのがおすすめです。