外壁を触ると手に粉が付いてくるチョーキングは、外壁塗装の劣化症状の1つです。
では、外壁にチョーキングが起こっていたらどのように対処すれば良いのでしょうか。
今回は、外壁塗装にチョーキングが起こっている場合の対処法と放置するリスクについてご紹介します。
チョーキング現象とは
チョーキング現象とは白亜化現象とも言い、外壁を触ると手に粉が付いてくるという外壁塗装の劣化症状の1つです。
外壁塗料を構成する成分は塗料に機能性と美観を持つ主成分の「樹脂」と着色するための「顔料」、成分の調整や塗りやすくするための「添加材」の大まかに3つで構成されています。
塗料の主成分となる樹脂は有機物ですので紫外線により分解されます。
樹脂が分解されると顔料が粉に戻って外壁の上に残り、外壁が粉をふいたようなチョーキング現象が起こります。
そのため、チョーキング現象では基本的に外壁塗料と同じ色の粉が手に付いてきます。
白い粉が付いてくるのは外壁塗装では明るく白っぽい色で塗装するケースが多いためです。
チョーキングが起こる原因
チョーキングが起こる原因には経年劣化と施工不良の主に2つがあります。
経年劣化
外壁は毎日紫外線と風雨にさらされ続けており、少しずつ劣化していきます。
外壁塗料の樹脂は紫外線によって分解され、塗膜が劣化してチョーキング現象を引き起こします。
チョーキングが発生する時期の目安は塗料によって幅があるものの、新築または前回の外壁塗装の7~15年後です。
チョーキングは特に紫外線の当たりやすい場所で発生しやすい傾向があります。
チョーキング現象が起こっているかチェックする場合は外壁の日当たりの良い面と日当たりの悪い面両方で確認することが大切です。
施工不良
チョーキングが起こるもう1つの原因に施工不良があります。
塗料の希釈を間違えたり、完全に塗料が乾いていない状態で塗料を重ねて塗装したりすると完全な塗膜が形成されず、施工から数年後に施工不良として現れます。
施工不良はチョーキングのほか、塗膜の剥がれなどが外壁塗装から1~3年程度経過した時期に起こる傾向があります。
もし、外壁塗装から数年で不具合が現れた場合は保証書を確認のうえ施工業者に連絡し、補修工事を依頼します。
保証期間内であれば無料で補修をしてもらえますので、外壁塗装の契約の際には保証の有無と内容を確認するとともに、保証書は失くさないように保管しておきましょう。
外壁の種類別チョーキングの状態
チョーキング現象は外壁材の種類によって現れ方が異なります。
ここでは、外壁材別のチョーキングの種類についてご紹介します。
モルタル
モルタル外壁はチョーキングが起こると色が抜けたような褪色が見られ、外壁を手で触れると白い粉状のものが付きます。
外壁が明らかに褪色している場合、塗膜の防水機能が失われていることを示しています。
窯業系サイディング
窯業系サイディングボードはモルタルよりも著しい褪色が起こります。
そして、モルタルと同様に手で触れると白い粉状のものが付きます。
金属サイディング
金属サイディングはモルタルや窯業系サイディングよりもチョーキングは発生しにくいものの、15年程度経過するとチョーキングが発生します。
色が白いものほどチョーキング発生しやすい傾向があります。
チョーキング現象が起こったら外壁塗装をする
チョーキング現象が発生した外壁の対処法は、塗膜の表面に浮き出た白い粉を高圧洗浄器で除去し、上から再び外壁塗装をすることです。
外壁塗装は下塗り材による下塗りと上塗り塗料による中塗り、上塗りの合計3回塗りで行います。
外壁塗装に使用される塗料にはウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料などさまざまな種類があり、耐用年数や機能性、施工単価が異なります。
目的に合った塗料を選択することが大切ですので、外壁塗装業者と相談して適切なものを選びましょう。
チョーキング現象の緊急性は低いが放置すると危険
チョーキングが起こったからと言ってすぐに雨漏りするわけではありません。
しかし、緊急性が低いからといって放置していると劣化が進み、ひび割れや塗装の剥がれといった劣化症状に発展する可能性があります。
ひび割れが外壁材に及んでしまったり、塗装の剥がれで外壁がむき出しになり外壁材を傷めてしまうと、外壁塗装では対応できず、大規模な補修工事が必要になる可能性があります。
チョーキングは塗膜の防水機能が失われていることを示していますので早めに外壁塗装を手配するようにしましょう。
チョーキングの補修DIYはおすすめできない
確かに外壁塗料や高圧洗浄機など、外壁塗装に必要な資材はホームセンターやネットショップなどで手に入りやすくなっています。
しかし、チョーキングの補修をDIYで行うことはおすすめできません。
外壁塗装をムラなくきれいに塗装するのはDIYでは限界があります。
また、塗料の希釈ミスや塗装した壁面の乾燥不足があると施工不良を起こし、数年で塗膜が剥がれるといったトラブルが起こります。
さらに、外壁塗装は高所作業となるため、塗装業者では資格を持った足場の専門職人が足場を設置し、安全を確保したうえで塗装の職人が塗装作業を行っており、個人では難しいのが現実です。
DIYでは塗装に失敗するリスクが高いうえ、危険ですので、業者に依頼するようにしましょう。
チョーキングを予防する方法
外壁塗装ではチョーキング現象の発生はつきものです。
しかし、耐用年数が長い塗料を使ったり、優良業者に塗装を依頼することでチョーキング現象の発生を遅らせることができます。
塗料はラジカル塗料やフッ素塗料、無機塗料などは対候性が高く、チョーキングの起こりにくい塗料です。
また、正しい知識を持った優良業者に塗装を依頼することで施工不良を防ぎ、チョーキングをはじめとした劣化が早期に現れることを防げます。
定期的に外壁塗装をすることが大切
チョーキング現象の原因やチョーキングが発生したときの対処法をご紹介しました。
チョーキングを放置していると塗膜の劣化が進み、外壁塗装では対応できずに補修費用が余計にかかってしまう場合があります。
このようなことを防ぐためにも外壁塗装は定期的に行い、建物の防水機能を保つことが大切です。