株式会社 福成

外壁塗装は3回塗りが基本 塗装の工程と手抜き工事の防止対策

サイディング外壁など住宅の外壁は10年に1回を目安に外壁塗装が必要です。
塗装の塗り工程は3回塗りが基本となり、きちんとした工程で塗装を行うことで建物に防水機能を持たせます。

 

一方で、塗り工程を省略する手抜き工事業者がいるのも事実です。

今回は、外壁塗装の工程が3回必要な理由と手抜き工事を予防する方法をご紹介します。

 

外壁塗装の工程は3回塗りが基本

外壁塗装は下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りが基本です。
下塗り材を1回塗布したあと、上塗り材を2回重ね塗り(中塗り・上塗り)して塗膜をつくります。

 

外壁塗装の塗料は3回塗りを前提につくられているため、3回塗りをして初めて十分な厚みの塗膜を形成でき、塗料の機能を発揮して役割を果たせます。

 

下塗り

下塗りの役割

下塗りは以前塗装された既存塗膜の効果を消す役割や、外壁材に上塗り塗料の密着性を高めるなどの重要な役割があります。

 

外壁に合った下塗り材でしっかり塗装していないと、塗装が剥がれる原因となりますので、省くことができない工程です。

 

また、下塗り材は塗料の吸い込みを防ぐ効果があります。
外壁に直接上塗り塗料を塗装すると、塗料が染み込んで塗りムラが発生し、塗料を余計に消費してしまいます。

 

それだけでなく、直接上塗り塗料を塗ると外壁材を傷める原因となる場合もありますので、外壁材を守るためにも下塗り塗料は重要です。

 

下塗り材の種類

・シーラー

シーラーは外壁材と上塗り塗料を密着させる接着剤としての機能を持った下地材です。
外壁にひび割れがない場合は主にシーラーを使用します。

 

・プライマー

プライマーは基本的にシーラーと同じ機能を持っています。
金属系サイディングなど、主に金属製の外壁材で使用します。

 

フィラー

フィラーはシーラーやプライマーにパテ機能が追加された下地材です。
外壁にひび割れや凹凸、シミなどが発生している場合、外壁の表面を平滑化するために使用します。

 

ひび割れが起こりやすいモルタルでは、補強効果があるフィラーを下地材として使用することが多くあります。

 

下塗りは付帯部分にも必要

外壁塗装では、外壁時だけでなく軒天や破風などの木部も塗装します。
これらの付帯部分も外壁材と同様、下塗りが必要となります。

 

中塗り・上塗り

中塗り・上塗りの役割

中塗り・上塗りで使う塗料の役割は、外壁に防水性を持たせることです。

 

中塗りと上塗りで2回同じ塗料を塗ることで、塗料の膜に厚みを持たせ、強度を上げるとともに外壁に防水機能を持たせる役割があります。

 

上塗り塗料は色が付いており、外壁を好きな色に仕上げられます。

 

上塗り塗料にはさまざまな種類がある

上塗り塗料にはウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料、光触媒塗料など、さまざまな種類の塗料があります。
セルフクリーニング機能や断熱機能など、機能が付いている塗料もあり、それぞれ耐用年数や価格が異なります。

 

塗料を選ぶときは、色や仕上がりだけでなく、外壁材の材質や予算、外壁塗装工事の間隔などを考慮して選ぶのがおすすめです。
選ぶのが難しい場合は塗装業者に相談して選ぶと良いでしょう。

 

外壁塗装は乾燥の工程も重要

外壁塗装では乾燥の工程も重要です。

 

高圧洗浄のあと、外壁が完全に乾いてから下地材を塗ります。
さらに下地材が乾いてから中塗り、中塗りが乾いてから上塗りをします。

 

乾燥時間は空気が乾いている時期や夏場は1日となりますが、雨の日や気温が低い場合は2日程度要する場合もあります。

 

塗料が乾燥していない状態で塗装してしまうと、なかで水分が蒸発したあとにその部分が空洞になり、外壁が剥がれやすくなります。
外壁塗装で起こる施工不良の症状で特に多いのが外壁の剥がれであり、乾燥は重要な工程となります。

 

手抜き工事を予防する方法

外壁塗装はほとんどの業者が正しい塗り回数で外壁塗装工事を行っています。
しかし、塗り回数を守らず、工程を省く業者がいるのも事実です。

 

塗り回数を守らない業者は外壁塗装の工事経験が不足しているか、または工程を省いて不当に利益を得ようとする悪徳業者のいずれかとなります。

 

外壁塗装で手抜きをされやすいのが3回の塗り工程のうち、中塗りの工程です。

 

上塗り材を2回塗らなければならないところを1回で済ませ、材料費を浮かせようという手口ですので、中塗り、上塗りの工程がきちんと行われているかチェックする必要があります。

 

手抜き工事を防ぐためには次の点に注意しておくようにしましょう。

 

3回塗りは最低6日間必要

外壁塗装は塗り工程の度に乾燥が必要なため、それぞれ1日間の乾燥時間を確保したとして、最低でも塗り工程だけで6日間は必要です。

 

塗装の期間が短い場合、塗装は3回塗っていても乾燥が十分でない場合もありますので、事前に工事工程表を確認し、おかしいと感じた場合は業者に聞いてみましょう。

 

見積書を確認する

通常、見積書には工事工程が詳細に記載されています。
しかし、手抜き工事を行う業者は詳細の記載を省く傾向があり、工事の中身やかかる料金が分かりにくいということが多くあります。

 

見積書に詳細が書かれていない場合は、工事の工程と塗料名とメーカー名を明記してもらうようにしましょう。
塗料名が分かればメーカーのホームページなど自分で料金を調べることもできますので、見積書は詳細に記載してもらいましょう。

 

状況に応じて塗り工程の回数が増えることもある

外壁塗装の工程は基本的に3回塗りですが、場合によっては塗り回数が前後することあります。

 

外壁の状態が悪い場合、下塗りを2回塗りする場合もありますし、メーカーの推奨塗り回数が中塗り不要の塗料で下塗りを合わせて2回塗りで完了する塗料もあります。

 

塗装が3回塗りではない場合もありますので、その場合は遠慮なく塗装業者に聞いてみると良いでしょう。

 

外壁塗装は3回塗りで塗膜を仕上げる

外壁塗装の塗り工程について解説しました。
外壁塗装は一般的に下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りが基本です。

 

見積もりの時点で3回塗りと明記されていない場合や、2回塗りとなっている場合は外壁塗装業者に聞いてみると安心です。
さらに、見積書に記載されている塗料名からメーカーのホームページで推奨されている塗り回数などのチェックも可能です。

 

見積もりは3社程度から相見積もりを取り、比較検討したうえで1社を選ぶと相場も把握しやすく納得の行く工事を依頼できます。